第11章
冷たく重い空気の中
甲高い手拍子の音に目が覚めた。
すべてが夢だったのだろうか?
それとも天国に着いたのだろうか?
現実の感覚が戻り、恐る恐る目を開けた。
大きなテーブルにパンとワインが置いてあった。
ここはどこだろうと周りに目をやると薄暗く広い部屋の真ん中にテーブル。
10人ほどだろうか自分と同じような表情で同じようにきょろきょろしていた。
「皆 眠りから覚めたようだな」
横並びの中ほどから声がした。その人物を見るなり、驚きの声をだす者
涙する者 十字を切る者。
「イエスさま?・・ここは?・・これは?夢か・・・」と自問する者がいた。
「私はイエスだ。
この世界に生き残った者は、ここにいる12名だ。」
「俺は生き残ったのか。神の・・いやイエスさまのおかげだ」
皆がイエスに感謝の目を向け十字を切り歓喜した。
「さあ 祝杯だ。最後の晩餐としよう!」そう言ってイエスは微笑んだ。
「おおーーー!」皆が喜びの声をあげた。
(最後の晩餐・・最後の?胸騒ぎがした。最後というのが気になる。それに・・
裏切り者がいるとか?誰だ?敵かスパイとでも言うのか?・・・
この冷たく重い空気が気にいらねえ ・・まあ夢だろうな これは・・)
「これは、私の体である」「これは、私の血である」
イエスはパンとワインを差して、皆に勧めた。
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