ロシケ

ロシケの海
終戦までは、目の前の海もあの島でも漁をしていた。
終戦手続きの隙をついての侵攻行為だった。
冷たい風に吹かれ短くなったタバコを吸うおやじはさびしそうだった。
こうして見ていると漁船とは違う船影がこちらを見張る。


銃の所持などありえない漁村の市民と知っていても
甲板の機関銃が向けられた。
もう遠い昔のことだろうと思っていたが
なにも変わっていなかったようだ。


荒れた海は、簡単に躊躇いなく漁師の命を奪う。
それ以上に怖いロシケ。
島の返還などありえない。いや 再び侵略するため
それがしたいがための返還はあるかもしれない。


戦後 疑似餌に何度も何度も釣られるとは・・・。